2007 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎ウイルス感染に関連する脂質生合成酵素遺伝子(TM7SF2)の解析
Project/Area Number |
19590746
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
齋藤 貴史 Yamagata University, 医学部, 准教授 (80250918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
邵 力 山形大学, 医学部, 助教 (80344787)
河田 純男 山形大学, 医学部, 教授 (90183285)
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Keywords | C型肝炎 / TM7SF2 / HCV / 脂質 / 脂質ラフト / SNP / 感染症 / siRNA |
Research Abstract |
私たちは、C型肝炎ウイルス(HCV)多発地区におけるコホート研究を通じて、感染既往者と感染持続者の遺伝子一塩基多型性(SNP)を比較検討した結果、HCV感染における感染防御の候補遺伝子として、コレステロール生合成を制御する脂質生合成酵素(TM7SF2)遺伝子のエクソン領域のアミノ酸置換を伴うcoding SNPの遺伝多型が、HCV感染成立に影響する宿主側の遺伝要因の一つであることを明らかにした。TM7SF2は、HCV増殖に必要な脂質ラフトをはじめとする脂質微小環境の形成に関与することが推察される。そこで、TM7SF2のHCV増殖への関与の有無を明らかにするために、in vitroにおけるHCV感染細胞系を用いて、TM7SF2がHCV感染増殖に必須の酵素であるか否か検討した。研究分担者の邵により、米国のDr.Riceより供与いただいたHCVレプリコン(pFL-J6/JFH)をHuh7.5細胞へ遺伝子導入を行い、HCV発現細胞の継代を確立した。また、培養細胞から高力価の感染性ウイルスの作成に成功し、次年度において必要となる実験に供する態勢を整えた。Huh7.5細胞におけるTM7SF2mRNAの発現状態モニタリング法をcyber greenを用いたリアルタイムPCR法で確立することに成功し、細胞内におけるTM7SF2 mRNA発現の定量化を実現した。TM7SF2のHCV増殖における関与を証明するため、TM7SF2 siRNAをHCV感染培養細胞へ遺伝子導入を行い、TM7SF2遺伝子発現のノックダウン細胞を作成した。次に、TM7SF2遺伝子ノックダウン細胞に、HCVレプリコンを導入してHCV RNA発現量を測定したところ、HCV RNAの細胞内発現量が、TM7SF2遺伝子のノックダウン細胞では、非ノックダウンのコントロール細胞のそれと比較して約10%低下することを見出した。さらに、TM7SF2遺伝子によるHCV増殖抑制が、HCV感染成立に影響することを明らかにするために、本HCV培養系で作成された感染性ウイルス粒子を用いて、TM7SF2遺伝子ノックダウン細胞にウイルスを感染させた際のウイルス増殖効率を検討する態勢を整えた。
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Research Products
(2 results)