2007 Fiscal Year Annual Research Report
ES細胞の肝不全への移植療法の開発を目指した肝細胞分化の研究
Project/Area Number |
19590748
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
富澤 稔 Chiba University, 医学部附属病院, 助教 (90334193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大平 美紀 千葉県がんセンター(研究所), 生化学研究部, 研究員 (20311384)
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Keywords | 再生医学 / シグナル伝達 / 発生 / 肝細胞分 |
Research Abstract |
我々はこれまで,胚性幹(ES)細胞を肝芽腫に分化させる培地の開発を試みるとともに,Insulin-like growth factor(IGF)-IIは,肝細胞の分化を促進する転写因子CCAAT/enhancer binding protein(C/EBP)αの発現を亢進しつつ,肝細胞の分化を促進することを突き止めた。そこで,ES細胞を肝芽細胞に分化させる方法の開発を継続するとともに,IGF-IIがC/EBPαの発現を亢進させる分子生物学的メカニズムの解明を計画した。現在,肝芽腫細胞株をIGF-IIで刺激した際に発現の変動する遺伝子群を,cDNAマイクロアレイを用いて解析中である。肝細胞分化を促進する増殖因子,転写因子の解明が解明され,ES細胞を増殖因子で刺激,または転写因子を導入することにより,肝細胞への分化を促進し,肝細胞を製造する方法の開発に発展することが期待される。ES細胞から肝芽細胞を製造する方法を確立し,特許出願するとともに,国際英文誌に投稿し,現在revise versionを投稿中である。今後,GFPレポーター遺伝子を発現するES細胞を肝芽細胞に分化させ,肝不全マウスに移植し,救命する可能性を探る。Wntシグナルは細胞の分化と増殖に深く関与する。発展的な試みとして,肝細胞の分化におけるWntシグナルの役割の解明を開始した。ES細胞より肝細胞を製造する方法の開発,肝芽腫・肝細胞癌の発癌メカニズムの解明に発展することが期待される。
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