2007 Fiscal Year Annual Research Report
包括的ゲノム解析による膵癌の抗癌剤感受性、高危険群の検討
Project/Area Number |
19590751
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
笹平 直樹 The University of Tokyo, 医学部・附属病院, 助教 (30401102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 稔 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80302719)
浅岡 良成 東京大学, 医学部附属病院, 医員 (90431858)
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Keywords | 膵癌 / 高密度オリゴヌクレオチドアレイ / 遺伝子増幅 / 欠失 / LOH(ヘテロ接合性の消失) |
Research Abstract |
癌細胞のゲノムでは、特定の遺伝子領域で増幅や欠失が起こることが知られている。近年、大規模SNPタイピングを目的として開発された高密度オリゴヌクレオチドアレイが、染色体コピー数変化およびLOHを同時に解析できるということがわかった。そこで、このアレイを用いて膵癌細胞株25種類のゲノム異常の網羅的解析を行った。解析の結果、24のホモ欠失領域と23の増幅領域を認めた。それぞれ8領域は今回初めて指摘された部位であった。ホモ欠失領域では、一つの領域に平均1.42個の遺伝子があり、最小領域は6kbであった。増幅領域では、一つの領域には平均4.87遺伝子があり、最小領域は146kbであった。L0Hは9p,18q,17p,8p,13q,6q,3p,6p,22q,9qと12qにおいて50%以上の細胞株に認めた。この新規に増幅および欠失あるいはLOHを認めた領域に関して、膵癌手術検体を用いた解析を行った。レーザーマイクロダイセクションを用いて、腫瘍部、非腫瘍部のDNAを抽出し、定量的PCR、マイクロサテライトマーカーを用いたLOH解析を行うことで、臨床検体でも、同様の異常を認めることを確認した。現在、高頻度に欠失を認めた新規遺伝子に関しては、分子生物学的解析を行っている。また、細胞株のゲノム異常に関しては、患者白血球でのゲノム異常と同じものがないか、ある場合は、これを用いて、高危険群のしぼりこみができないか、検討を続けているところである。
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