2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19590754
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
安保 徹 Niigata University, 医歯学系, 教授 (30005079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川村 宏樹 新潟大学, 医歯学系, 講師 (20333495)
神田 泰洋 新潟大学, 医歯学系, 助教 (00436768)
川村 俊彦 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (70301182)
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Keywords | 肝臓 / リンパ球 / NKT細胞 / 自然免疫 / γδT細胞 / 胸腺外分化T細胞 / NK細胞 / 自己免疫疾患 |
Research Abstract |
肝臓は、末梢のリンパ臓器とは大きく異なるリンパ球分布を示し、これら肝臓特異的なリンパ球は、肝炎などの肝障害、癌の肝転移、肝臓における感染症、肝再生、免疫寛容など、多くの免役現象に関与している。肝臓は、消化・代謝臓器としてのみならず、免疫臓器として注目されている。 これらの背景をもとに研究を進めたところ、平成19年度は、以下の研究成果が得られた。 MHC class Iの構成成分であるβ2-microglobulin欠如したマウス(以下β2-m KOマウス)にマラリアを感染させた。これまでの報告では、マラリア感染には、CD8^+ T細胞が重要な役割を果たしていることが明らかにされており、CD8^+ T細胞を欠如するβ2-m KOマウスは、マラリア感染に対して感受性が高いことが予想されたが、これらた反し、実際にマラリアを感染させたととろ、野生型マウスと同様に、感染後約1ヶ月でマラリアを排除できることが明らかになった。つまり、CD8^+T細胞は、マラリア感染においては、不可欠ではないことが明らかになった。では、どのような細胞群がマラリア感染のエフェクターになっているのかを解析したところ、NK細胞やγδT細胞が、特に肝臓において増加しており、しかも、これら細胞群は活性化していることが明らかになった。つまり、肝臓に存在する自然免疫に重要なリンパ球であるNK細胞とγδT細胞が、マラリア感染に重要な役割をはたしていたのである。この結果は、Immunology 122;201-210,2007.に発表した。
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