2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規RNA情報基盤を利用した慢性C型肝炎の制御の試み
Project/Area Number |
19590760
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村上 善基 Kyoto University, 医学研究科, 産学官連携准教授 (00397556)
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Keywords | HCV / マイクロRNA / 感染 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
C型肝炎ウイルス(HCV)は感染すると高率に慢性化し、適切な治療を行なわないと肝硬変、肝細胞癌へと進展する。治療の中心はインターフェロンであるが、日本人に多いHCV遺伝子型1bの高ウイルス量患者では再発率が無視できない。HCV制御のための新規治療薬の開発は保険、医療の向上や、医療費削減に有用である。 しかし、HCVの生活環に不明な点が多くコンプライアンスのよい治療方法の開発が遅れている。この問題を解決するためにウイルスの複製を制御する因子や,細胞の持つ抗ウイルス因子を発見することによって新規治療方法を開発し,HCV感染の制圧を目標とする。 今までに慢性肝疾患(慢性肝炎、肝硬変、肝細胞癌)それぞれのマイクロRNA発現プロファイルを得た。(1)HCVゲノム複製が抑制するマイクロRNAの同定。(2)HCVレプリコンを抗ウイルス剤によって特異的に減少させた時にみられるマイクロRNA発現プロファイル結果を利用し、細胞側の抗ウイルス因子の同定とそのメカニズム解析を行なった。これを元に平成20年度は(1)マウスを用いて,肝毒性がなく効率に目的とするマイクロRNA導入方法を確立した。(2)抗ウイルス剤を投与した際に発現の変化したマイクロRNA1種を同定した。(3)肝生検組織を用い、線維化別とインターフェロン+リバビリン治療効果別のマイクロRNA発現プロファイルを作成した。 今後これらの情報を元に(1)ヒト肝組織を持ったキメラマウスにHCVを感染させマイクロRNAを投与しマイクロRNAの効果を解析する。(2)薬剤応答に関係したマイクロRNAのターゲット遺伝子を同定する。(3)抗ウイルス剤の治療効果予測、線維化におけるバイオマーカーの確立を目指す。
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Research Products
(3 results)