2008 Fiscal Year Annual Research Report
肝再生不全における低アディポネクチン血症の意義に関する研究
Project/Area Number |
19590767
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木曽 真一 Osaka University, 医学系研究科, 助教 (40335352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筒井 秀作 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (10359846)
吉田 雄一 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教 (30457014)
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Keywords | 肝再生 / adiponectin / 部分肝切除 / 脂肪酸代謝 / CPT-1 / PPARα |
Research Abstract |
アディポネクチンは脂肪細胞から特異的に分泌される生理活性物質であり、これまでに抗動脈硬化作用、インスリン抵抗性改善作用等が報告されているが、肝再生への関与は報告されていない。また近年、肝再生の過程で肝細胞内に一時的にみられる脂肪蓄積について、そのエネルギー代謝における重要性が指摘されている。本研究ではアディポネクチン欠損マウスを使用し部分肝切除後の肝再生および肝細胞内脂肪蓄積への影響を検討した。部分肝切除後の再生肝においてアディポネクチン欠損マウスでは野生型マウスと比較して肝細胞の増殖遅延と肝細胞内の脂肪蓄積の増加が認められた。さらに、再生肝内の脂肪酸酸化の制御因子であるCPT-1, PPARαの遺伝子発現はいずれもアディポネクチン欠損マウスで低下していた。これらの結果よりアディポネクチンは脂肪酸酸化の制御を通じて肝再生機構に関与している可能性が示唆された。本研究は部分肝切除後の肝再生における脂肪酸代謝の重要性を明らかにし、脂肪肝における肝再生不全のメカニズムを明らかにする基礎データを提供すると考えられる。
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