2007 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞癌におけるマイクロRNAの網羅的解析及び癌特異的マイクロRNAの機能解析
Project/Area Number |
19590770
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
正木 勉 Kagawa University, 医学部, 講師 (30335848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石丸 伊知郎 香川大学, 工学部, 准教授 (70325322)
岩間 久和 香川大学, 総合生命科学研究センター, 准教授 (20398035)
黒河内 和貴 香川大学, 医学附属病院, 助教 (10294753)
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Keywords | 肝細胞癌 / マイクロRNA / 肝硬変 |
Research Abstract |
microRNA(miRNA)は、21〜25塩基程度のnon-coding RNAであり、これらのmiRNAターゲット遺伝子のメッセンジャーRNAの3'非翻訳領域(3'UTR)に部分相補的に結合し、ターゲット遺伝子の翻訳を抑制する。最近、種々の癌を正常組織と比較し、miRNAの発現パターンが著明に変化していることが報告されており、miRNAが細胞の癌化に関与しているのではないかと推測されている。今回我々は、377のmiRNAが搭載されたマイクロアレイを用い、肝硬変と比較し、肝癌において特異的に変動したmiRNA-527の意義について解析した。対象は、C型肝炎による肝癌4例、その非癌部肝硬変4例であり、それぞれの肝組織よりtotal RNAを抽出後、miRNAを回収し、肝癌組織からのmiRNAをCy3に、非癌部組織からのmiRNAをCy5に蛍光標識させ、それをアレイチップにハイブリダイゼイションさせた。その後、アレイをスキャナーにかけ、各スポットのシグナルを数量化させ、データー解析を行った。また、肝癌において減弱していたmiRNA-527に対し、その標的遺伝子をデータベース(Sanger研究所のmfRBasse)から推測し、さらに、培養細胞株を用いた実験的検証も行った。階層的分類法を用いたクラスター解析では、癌部、非癌部におけるmiRNAの発現パターンは、4症例とも発現パターンの類似性がみられた。非癌部の肝硬変と比較し、減弱していたmiRNAの1つに、miR-527があり、データベースよりそのターゲット遺伝子の候補として、肝癌の腫瘍マーカーであるglypican-3が推測された。glypican-3をCos-7に強制発現させた系に、miR-527を細胞内に同時導入させると、glypican-3の発現が消失した。さらに、glypican-3を発現している肝癌Huh-7を用いた細胞株でも、miR-527を細胞内に導入させるとglypican-3は減弱した。
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Research Products
(1 results)