2008 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞癌におけるマイクロRNAの網羅的解析及び癌特異的マイクロRNAの機能解析
Project/Area Number |
19590770
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
正木 勉 Kagawa University, 医学部, 教授 (30335848)
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Keywords | 肝細胞癌 / マイクロRNA / 肝硬変 |
Research Abstract |
マイクロRNA(21〜25塩基程度のnoncoding RNA)は、複数のターゲット遺伝子を抑制する新たなタンパク質発現制御機構である。最近、種々の癌細胞において、マイクロRNAの発現パターンが著明に変化していることが報告されており、マイクロRNAが、細胞の癌化に関与しているのではないかと推測されている。前年度、我々は、377種類のマイクロRNAが搭載されたチップを用いて、肝癌において、マイクロRNA-527が減弱することを報告した。今回、さらに、肝癌細胞株、Hep3B, Li7, Alex, HLF, HLE、 HuH7、正常肝臓細胞株用いて、マイクロRNAの網羅的解析を行なった。培養細胞においても、正常肝細胞株と比較し、肝癌細胞株において、マイクロRNA-527は減弱していた。データーベースを用いてマイクロRNA-527のターゲット遺伝子としてグリピカン3を予測し、HuH7を用いた実験系でも、マイクロRNA-527を導入すると、グリピカン3の発現が減弱し、anti-マイクロRNA-527を導入するとグリピカン3の発現が増強することを証明した。このことから、マイクロRNA-527のターゲット遺伝子の一つにグリピカン3があり、肝癌において、グリピカン3が増強するのは、マイクロRNA-527の減少によるものであることがわかった。
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Research Products
(2 results)