2007 Fiscal Year Annual Research Report
肝再生治療への応用を目指した細胞周期関連分子の機能制御の基礎的検討
Project/Area Number |
19590777
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
永濱 裕康 Kumamoto University, 医学部附属病院, 助教 (60381000)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 裕 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (70235282)
中山 敬一 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (80291508)
|
Keywords | 再生 / トランスクリプトーム / プロテオーム |
Research Abstract |
正常マウスまたはノックアウトマウスより採取した骨髄細胞を、四塩化炭素の持続投与を行なった肝障害モデルマウスに移植を行ない、ドナー細胞の生着率の評価ならびに、アルブミン値やトランスアミナーゼなどの肝機能の改善率、生存率を野生型マウスにおける骨髄細胞移植の場合と比較した。その結果ノックアウトマウスの骨髄細胞を移植した場合は、野生型からの移植の場合と比べ、急性肝障害モデルマウスでは、肝障害初期の肝細胞増殖が強い傾向にあったが、アルブミンの改善には差は認められなかった。慢性肝障害モデルマウスにおいても同様に、ノックアウトマウスの骨髄細胞を移植した場合で線維化の改善が強い傾向にあった。これらの結果より、急性、慢性いずれの肝障害においても、細胞周期関連分子の機能制御を介して肝細胞増殖を促進させ、肝機能の改善効果が上昇し、新たな肝再生治療戦略の開発に貢献する可能性が示唆された。 次に肝障害モデルマウス、肝切除後再生モデルマウスそれぞれの骨髄細胞移植前後での遺伝子発現の変化を移植前後の肝組織より抽出したサンプルを用いて、cDNA arrayにてトランスクリプトーム解析を行なった。その結果野生型マウスと比べ、ノックアウトマウスにおいて強く発現変化を認める遺伝子が示された。今後これらの絞り込まれた遺伝子の発現変化を時系列で詳細に検討を行い、肝再生において中心となる遺伝子を向定し、プロテオーム解析と併せて検討する予定である。
|