2008 Fiscal Year Annual Research Report
肝再生治療への応用を目指した細胞周期関連分子の機能制御の基礎的検討
Project/Area Number |
19590777
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
永濱 裕康 Kumamoto University, 医学部附属病院, 助教 (60381000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 裕 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (70235282)
中山 敬一 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (80291508)
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Keywords | 肝再生 / 細胞周期 / トランスクリプトーム |
Research Abstract |
p27^<Kip1>KOマウス由来の骨髄細胞を、CC14を用いた急性肝障害モデルマウスに投与することにより、その生存率、肝再生能の向上につながるかを検討したが、p27^<Kip1>KOマウス由来の骨髄細胞を移植したマウスでは、肝障害誘発後のALTのピーク値は抑えられたが、生存率については改善傾向にあったものの、有意差を得るまでには至らなかった。次に8週間の長期にわたるCC14投与による慢性肝障害モデルマウスにおいては、同様に線維化の改善や生存率が改善傾向にあったものの有意差は得られなかった。しかしp27^<Kip1>KOマウスをレシピエントに用いた急性実験では、生存の延長が認められた。また急性肝障害モデルにおいて、肝組織内での肝障害刺激の前後の遺伝子発現変化をDNAマイクロアレイを用いて解析を行なったところ、野生型と比べp27伽1KOマウスでは早期より細胞周期関連分子の発現の上昇が認められた。さらに線維化に関与するMMP1、2、3、9、TIMP1、TIMP2などの発現についても検討を行ったところ、いくつかの遺伝子については有意に発現の変化が認められた。このように、著明に進行した肝障害では、細胞周期制御による骨髄細胞移植のみでの予後改善効果には限界がある事が考えられ、トランスクリプトーム解析の結果も踏まえて今後は肝細胞そのものの増殖を誘発する事に焦点をあて、肝細胞における細胞周期関連分子の発現を直接制御する事により、細胞増殖を促進する事が可能ではないかと研究を継続中である。
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