2007 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファージと肝障害:Toll-like受容体制御による新規治療の探索
Project/Area Number |
19590784
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
福井 博 Nara Medical University, 医学部, 教授 (80145838)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 正男 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (60295805)
吉治 仁志 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (40336855)
美登路 昭 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (10382285)
辻本 達寛 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (00423921)
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Keywords | Toll-like 受容体 / マクロファージ / 非アルコール性脂肪肝炎(NASH) / 急性肝不全 / Kupffer 細胞 / TNF-α / エンドトキシン |
Research Abstract |
1)NASHモデル ラットにCDAA食を負荷すると、4週で脂肪滴の沈着に加えF1の線維化を認めNASH類似の組織像を呈した。8週では線維化はF2に進行していた。このNASHモデルラットにおいて血清ALT値は上昇し、血清および全肝におけるTNF-α値は上昇した。造影超音波検査ではCDAA食投与3週以降でコントロール群に比し、20分後の輝度値が低下した。また、5分後から20分後までの輝度の変化は、コントロール群では変化を認めなかったが、CDAA食投与3週以降で10dB以上低下した。蛍光顕微鏡ではKupffer細胞1細胞あたりのlatexbeadsの取り込み数はコントロール群に比し1,2週で減少し、3週以降ではそれ以下には減少しなかった。一方、Kupffer免疫染色では染色細胞数は有意差はなかった。このモデルにおける、TNF-a、TLR-4、CDl4の免疫染色組織像はコントロール群に比べ、有意に濃染していた。またRT-PCR法でのTrgF-α mRNA、 TLR-4 mRNA、 CD14 mRNAの発現もNASH群で増強していた。α SMA免疫染色はNASH群で有意に活性化星細胞の増加が認められた。以上のように、ラットMSHモデルにおいて、線維化の進行に平行して炎症性サイトカインであるTNF-αの産生が充進しており、また自然免疫を担うTLR-4、CD14の発現も増強していた。 2)急性肝不全モデル ガラクトサミン(GalN)を投与して急性肝不全ラットを作成し、肝障害の進展と肝内TLR-4 mRNA発現の関係を検討した結果、GalN肝不全ラットでは早期からTLR-4 mRNA、CD14 mRNA、TNF-α mRNA発現が充進していた。 これら両モデルにおいて内因性エンドトキシンに起因すると思われる、TLR-4、CD14 などの自然免疫の活性化が病態進展に関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)