2007 Fiscal Year Annual Research Report
非アルコール性脂肪性肝炎発症におけるストレスおよび中枢性神経ペプチドの関与
Project/Area Number |
19590787
|
Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
米田 政志 Aichi Medical University, 医学部, 教授 (30261407)
|
Keywords | 脂肪肝 / ストレス / 肝病態 / 神経ペプチド |
Research Abstract |
脂肪肝からNASH進展におけるストレスおよび脳内CRFの関与をラット実験にて検討した。脂肪肝は四塩化炭素(2ml/kg,皮下注)によって誘導した。四塩化炭素投与直後よりラットを6時間の拘束ストレスに供し、四塩化炭素投与24時間後に採血と肝組織を採取して、血清肝酵素と肝組織にて肝障害の程度を評価した。CRF受容体拮抗剤であるastressin(0.1-1μg)を四塩化炭素投与直前と6時間後にラット大槽内に投与した。前処置として6-hydroxydopamineによるノルアドレナリン作動性神経の除神経、85%phenolによる肝交感神経除神経、肝迷走神経切断およびatropine投与を行った。その結果、四塩化炭素投与24時間後に血清ALT値(106±15IU/L)の上昇を伴う、組織学的に肝脂肪変性が確認された。四塩化炭素に拘束ストレスを加えると血清ALT値は278±35IU/Lまで上昇し、組織学的に脂肪変性の他に壊死像が加わった。Astressinの投与によって拘束ストレスによる肝障害の悪化が用量依存性に抑制された。さらに拘束ストレスによる肝障害の悪化は、6-hydroxydopamineによるノルアドレナリン作動性神経の除神経および85%phenolによる肝交感神経除神経によって消失したが、肝迷走神経切断およびatropine投与は影響を及ぼさなかった。今回の実験により、ストレスおよび内因性の脳内CRFが脂肪肝からNASH進展に関与する可能性が示唆された。
|
Research Products
(3 results)