2007 Fiscal Year Annual Research Report
肝線維化課程における骨髄由来細胞のコラーゲン合成ならびに分解能の包括的解析
Project/Area Number |
19590792
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
稲垣 豊 Tokai University, 医学部, 准教授 (80193548)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東山 礼一 東海大学, 医学部, 奨励研究員 (80459495)
|
Keywords | 肝線維化 / コラーゲン / コラゲナーゼ / マトリックスメタロプロテアーゼ / 星細胞 / 骨髄細胞 / 分化誘導 |
Research Abstract |
肝炎ウイルス感染やアルコールの過剰摂取など、様々な原因で肝臓の線維化が引き起こされる際には、肝組織にコラーゲンをはじめとするマトリックス成分が過剰に蓄積する。組織おけるコラーゲン含量は合成と分解の適切なバランスの上に維持されており、肝星細胞はコラーゲンとその分解酵素MMP-13双方の産生細胞と考えられているが、星細胞において相反するコラーゲンとMMP-13産生がどのように調節されているかは充分に解明されていない。また近年、骨髄から線維肝組織へ流入した細胞がコラーゲンを産生して線維化進展に関わるという報告がなされた一方で、骨髄由来細胞がMMPを産生して線維化の改善に寄与するという本研究者自身の報告もあり、未だ一致した見解は得られていない。ひとつの細胞の中で、コラーゲンの産生と分解との包括的な解析が求められる所以である。 本研究は、コラーゲンプロモーターと緑色蛍光、MMP-13プロモーターと赤色蛍光を連結した遺伝子を組み込んだトランスジェニックマウスを作製し、これを用いてコラーゲンとMMP-13の産生を単一細胞レベルで高感度かつ特異的に検出して包括的に解析することで、肝線維化の制御を目指すものである。このマウスに四塩化炭素を反復投与して肝線維症を誘導すると、線維束に沿ってCOLIA2プロモーターの活性化した細胞を多数認めたが、MMP-13プロモーターの活性化はみられず、両者のバランスが産生過多に傾いていることが証明された。また、同マウスの肝臓から分離した星細胞を培養すると、初期にはMMP-13プロモーターの活性化が認められたのに対して、培養1週間後の活性化星細胞ではMMP-13プロモーターの活性化は認められず、COLIA2プロモーターの活性化へと転じた。
|
Research Products
(13 results)