2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト癌幹細胞と樹状細胞との融合細胞を用いた膵臓癌に対する新規治療法の開発
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19590793
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
小井戸 薫雄 Jikei University School of Medicine, 医学部, 准教授 (70266617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 定 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (50192323)
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Keywords | 癌ワクチン / 樹状細胞 / 融合細胞 / 細胞障害性T細胞 / 癌幹細胞 |
Research Abstract |
1.融合細胞ワクチンの癌逃避機構の解明 昨年度、改良型融合細胞の開発を行ったが、これまでの融合細胞ワクチン療法にて、治療効果が認められなかった原因を解明した。 (1)癌細胞分泌物質に暴露された融合細胞ワクチンにて誘導した細胞傷害性T細胞はIFN-γの産生能が低下しており、癌細胞に対して殺傷能力の低下が認められた。 (2)融合細胞ワクチン投与により、患者の樹状細胞は活性化された。しかし、癌細胞が分泌する免疫抑制物質により、融合細胞は非活性化された。 2.膵臓癌に対する癌ワクチン療法 (1)標準治療である塩酸ゲムシタビンを膵臓癌細胞株であるPaCa-2に処理することにより、腫瘍抗原であるWT1のmRNAの発現が増強された。 (2)WT1特異的な細胞傷害性T細胞にて、塩酸ゲムシタビン処理後の膵臓癌細胞は非常に良く殺傷することができた。 3.膵臓癌細胞の癌幹細胞の特徴 Capan-1細胞をCD133抗体にてsorting後、 SCIDマウスにCD133陽性細胞1000個移植したところ、陰性細胞の場合と比較して腫瘍の生着発育を認めた。 CD133陽性細胞の純化し癌幹様細胞の正常に近い細胞の同定を試みている。
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