2007 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄由来前駆細胞をベクターとし血管新生抑制を目的とした肝細胞癌への遺伝子治療
Project/Area Number |
19590796
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
鳥村 拓司 Kurume University, 医学部, 准教授 (60197986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 隆登 久留米大学, 先端癌治療研究センター, 教授 (70176618)
中村 徹 久留米大学, 医学部, 助教 (30341332)
谷口 英太郎 久留米大学, 医学部, 助教 (50341318)
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Keywords | 血管新生抑制 / 肝細胞癌 / 遺伝子 / 移植再生医療 / 血管内皮前駆細胞 / ウイルス / Soluble flk-1 / 平滑筋前駆細胞 |
Research Abstract |
In vitroの研究成果:GFPトランスジェニックマウスの骨髄から採取した単核球を培養液中にVEGFもしくはPDGF-BBを添加し,7日間培養し血管内皮前駆細胞に分化することをCD31,VEGF receptor-2(flk-1)を用いたFACS解析にて明らかにした。平滑筋細胞への分化はうまく誘導ができなかったため引き続き平成20年度も検討を行う予定。さらに,同様の骨髄細胞から間葉経幹細胞を培養することができた。培養した血管内皮前駆細胞に対してアデノウイルスに組み込まれた可溶性のflk-1cDNAを遺伝子導入した。しかし,ウイルスの濃度を増しても感染効率が約50%なため引き続きより高率に感染できる条件設定を行う予定。flk-1cDNAを遺伝子導入した血管内皮前駆細胞とHUVECをBoyden chamberを用いて共培養するとHUVECの増殖は対照群に比べて抑制された。 In vivoの研究成果:GFPトランスジェニックマウスの骨髄から採取培養した血管内皮前駆細胞をヌードマウスの皮下に肝がん細胞を接種して作成した坦癌マウスの尾静脈から100万個投与し7日目に屠殺し肝癌組織への遊走を確認した。肝癌組織内へ遊走した血管内皮前駆細胞は一部腫瘍血管の形成に関与していたが多くは腫瘍の間質に存在していた。平滑筋細胞はin vitroにおいてうまく培養できなかったためマウスへの投与は平成20年度に行う予定。さらに,培養ができた間葉経幹細胞も平成20年度に坦癌マウスへ投与し血管内皮前駆細胞,平滑筋細胞といつれの細胞が最も効率よく肝癌組織へ遊走するかを検討する予定である。 坦癌マウスへ投与した血管内皮前駆細胞はCD31抗体や、SMA抗体での免疫染色においてCD31陽性であり血管内皮細胞への分化が示唆されたが、・SMAは陰性であり平滑筋細胞への分化は確認できなかった。
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