2007 Fiscal Year Annual Research Report
心不全に関するnon-coding RNA の探索および機能解析
Project/Area Number |
19590808
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
井澤 英夫 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 講師 (80402569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 充弘 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (50201851)
成 憲武 名古屋大学, 医学部, 寄附講座助教 (30378228)
野田 明子 名古屋大学, 医学部, 助教 (80252287)
永田 浩三 名古屋大学, 医学部, 准教授 (20378227)
室原 豊明 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90299503)
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Keywords | 心不全 / 機能性RNA / 心筋症 / ドブタミン負荷試験 |
Research Abstract |
本研究の目的は不全心筋において、どのような機能性RNAが発現しているかを定量解析し、心不全の病態形成に関連するmiRNAを網羅的に探索することである。この目的を達成するために私たちは、本年度、拡張型心筋症(DCM)20例、肥大型心筋症(HCM)10例において検討を進めた。全症例で、pig-tail型micromanometerにより左室内圧を記録し、心筋収縮(dP/dtmax)・弛緩(tau)特性、頻脈依存性心筋収縮・弛緩特性を計測すると同時に心筋生検標本を収集した。このうちのDCM6例から得た心筋生検標本からtotal RNAを抽出し、活性のないpre-miRNAやpri-miRNAを除去し活性を有する成熟miRNAだけを分離・精製した。3'末端にアミン修飾したmiRNAに蛍光色素を付加した後、480種類のヒトmiRNAをターゲットにしたプローブをスポットしたアレイによりmiRNA発現プロファイリングを網羅的に行なった。そして、dobutamine負荷試験による心筋収縮予備能が破綻している3症例と比較的予備能が保たれている3症例との間でmiRNA発現を比較検討した。その結果、心筋収縮予備能との間に有意な(p<0.01)関連を認めた10個のmiRNAを同定することに成功した。平成20年度は道程に成功した10個のmiRNA発現に関して、20例のDCMから得た心筋生検標本を用いて定量評価し、同時に定量評価した心筋収縮関連タンパクRNA量や心筋収縮予備能との関連について検討を行う予定である。平成20年度の研究結果から、心不全の病態形成における機能性RNAの役割およびmRNAとの相互作用を明らかにできるものと期待される。
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