2008 Fiscal Year Annual Research Report
心不全に関与する non-coding RNA の探索および機能解析
Project/Area Number |
19590808
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
井澤 英夫 Fujita Health University, 医学部, 准教授 (80402569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成 憲武 名古屋大学, 医学部, 寄付講座講師 (30378228)
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Keywords | 心不全 / 機能性RNA / 心筋症 / ドブタミン負荷試験 |
Research Abstract |
本研究の目的は、不全心筋の病態形成に重大な影響を及ぼす機能性RNAを探索同定することであり、この目的のために、我々は、心筋症症例から得た心筋生検標本を定量解析し、心不全の病態形成に関連するmiRNAを網羅的に探索した。平成19年度に引き続き、本年度も心筋生検標本のサンプル収集を継続した結果、合計で拡張型心筋症50例、肥大型心筋症30例から生理学的データ、血液生化学データの収集と心筋生検標本を得た。リアルタイムrt-PCR法を用い、不全心筋生検標本における交感神経β受容体刺激伝達系および心筋細胞内Ca動態関連タンパクの遺伝子発現異常と心筋収縮予備能との関連について検討し論文にて発表した。また、14例の心筋サンプルにおけるmiRNA発現レベルを、miRNAアレイを用いて網羅的に解析した結果、不全心筋における心筋収縮予備能異常に関連していると考えられる複数個のmiRNAを同定することにも成功した。14例にドブタミン負荷試験を行い、ドブタミン負荷試験による心筋収縮予備能に基づいて上位7例と下位7例との2群に分類した。両群間で、年齢、ニューヨーク心臓協会心機能分類、baselineでの左室拡張末期容積、左室収縮率、左室収縮能(dP/dtmax)、血漿脳性利尿ホルモン濃度には差がなかった。しかしながら、miRNA10(p<0.01), miRNA302(P<0.01), miRNA323(p<0.01), miRNA422(P<0.01)等、10個のmiRNAがドブタミン負荷試験による心筋収縮予備能が正常に保たれている上位7例の症例の心筋生検標本で有意に発現していた。また、肥大型心筋症における左室心筋収縮予備能と心筋生検標本中のミトコンドリア異常とが関連していることも明らかとなった。最近注目されている拡張不全の機序の一つでもある心筋線維化に関連するmiRNAの探索等、今後研究を進める予定である。
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Research Products
(4 results)