2007 Fiscal Year Annual Research Report
ZAKI-4βトランスジェニックマウスを用いた心筋リモデリング制御機構の解明
Project/Area Number |
19590809
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
永田 浩三 Nagoya University, 医学部, 准教授 (20378227)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 充広 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (50201851)
井澤 英夫 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (80402569)
野田 明子 名古屋大学, 医学部, 助教 (80252287)
成 憲武 名古屋大学, 医学部, 助教 (30378228)
橋本 克訓 名古屋大学, 医学部, 助教 (70324423)
|
Keywords | ZAKI-4β / 心臓 / トランスジェニックマウス / アンジオテンシン / 高血圧 / 左室肥大 / 心筋線維化 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
本研究の目的の第一番目は、ZAKI-4βトランスジェニック(TG)マウスを用いることにより、肥大刺激に応答した心筋線維化形成におけるカルシニューリンの役割とその分子メカニズムを解明することである。我々は、6ケ月齢の同TGマウスに対して、浸透圧ポンプを用いて昇圧量(432μg/kg/日)のアンジオテンシンII(Ang II)またはvehicleの持続投与(4週間)を行った。同一齢の野生型(WT)マウスを対照群として用いた。Ang II持続投与により血圧、左室心筋細胞肥大、および心筋血管周囲および間質線維化の程度は、vehicle群よりもWTマウスにおいて大であった。WTマウスでは、Ang IIにより心筋線維化に関連する遺伝子発現が増加したが、ZAKI-4βの遺伝子発現は増加しなかった。Ang IIにより左室心筋細胞肥大および心筋間質線維化は、WTマウスよりもTGマウスにおいてかなり小であったが、血圧および心筋血管周囲の線維化は抑制されなかった。TGマウスでは、Ang IIにより心筋肥大・線維化に関連する遺伝子発現は増加しなかった。心肥大関連遺伝子の発現は両マウスにおいて同程度に増加した。以上より、TGマウスではAng II誘導高血圧において心筋細胞肥大とともに心筋間質線維化も抑制されることが明らかとなった。同TGマウスでは、大動脈結紮による圧負荷によりWTマウスと比べて心肥大は抑制されるが、左室拡張末期ストレス及び拡張期スティフネスは増加するというデータが既に得られている(AHA2005)。今年度の結果は、心筋細胞におけるZAKI-4βの過剰発現が左室壁応力の減少と無関係にAng II誘導高血圧と関連した心筋間質線維化を抑制した可能性を示唆しており、極めて興味深い。今後、心筋カルシニューリン活性および関連するシグナル伝達系を詳細に検討する予定である。
|
Research Products
(1 results)