2008 Fiscal Year Annual Research Report
急性心筋梗塞における血管内皮前駆細胞の動態解析と予後相関の解明
Project/Area Number |
19590811
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
沼口 靖 Nagoya University, 医学部, 寄附講座准教授 (90378224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
室原 豊明 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90299503)
新谷 理 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (20309777)
柴田 玲 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 特任助教 (70343689)
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Keywords | 心筋梗塞 / 内皮前駆細胞 / 再生医学 / 脂肪酸代謝 / アディポカイン |
Research Abstract |
名古屋大学医学部循環器内科関連病院より同意を得た症例について検体を収集し、観察期間中に症例は86症例を得た。遠隔期症例(発症後2年以上経過したもの)については80症例最長5.5年の経過を追って管理した。このうち分化型EPCを有する患者と未分化型EPCを有する患者を比較した場合、既報のとおり分化型EPCを有する患者では心筋サルベージが良好であることが症例数が増えても確認された。再発ないしは他の血管性疾患、腎疾患、糖尿病を発症したものは有意に少ない傾向がみられた。(P<0.05) 脂肪由来サイトカインに関して分担研究者柴田らと共にアディポネクチンと心筋サルベージについて解析した。EPC同様、血中アディポネクチン濃度も心筋梗塞発症後7日目に上昇し、その濃度は慢性期の心筋梗塞サイズと逆相関し、心機能とは正の相関を認めることを発見した。これにより急性期のアディポネクチン濃度がEPCの機能と同様に遠隔期の心機能や心筋梗塞サイズを予知する生体マーカーとして機能しうることが推察された。(Am J Cardiol.2008にて報告) 心筋梗塞など重篤な動脈硬化疾患の発症を予防するには、動脈硬化病変の初期段階での検出が重要であると考え、分化型EPC量とアディポネクチンと血管内皮機能について若年男性ボランティアを対象に解析を行ったところ、その両方が血管内皮機能と相関を認めた。基礎実験でアディポネクチンがEPCの分化を亢進させることとから、動脈硬化の初期段階の検出するためのバイオマーカーとして有用であることが示唆された。(Circ J.2009、FEBS Lett.2008およびEur J Endocrinol.2008にて報告)
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Research Products
(12 results)