2008 Fiscal Year Annual Research Report
冠動脈粥腫の不安定性を定量評価しうるマルチファンクショナル血管内エコー法の開発
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19590819
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
廣 高史 Nihon University, 医学部, 准教授 (10294638)
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Keywords | 動脈硬化 / プラーク / 血管内エコー法 / 急性冠症候群 |
Research Abstract |
A.背景・目的:本研究初年度である平成19年において血管内エコー法によるシェアストレスのカラーマッピング法は将来のプラークの破綻点の推測に有用であることを報告した。そこで本年度はプラークの不安定性をより正確に評価するために、破綻のメカニズムをさらに詳細に解明し、また非侵襲的にもシェアストレスを表示するシステムを開発することを研究目標とした。B.研究方法:(1)血管内エコー法からプラーク破綻像を描出し、それを3次元画像構成することによって破綻のメカニズムを3次元的に解析した。そしてプラークの破綻像を3次元的に分類を試みた。(2)非侵襲的にシェアストレスのマッピング表示を行うために、MDCTからの画像を利用した。そしてMDCTから血管内腔形状を抽出し、その後有限要素法を用いた構造力学シミュレーションプログラムにより、シェアストレスの分布をカラー表示するプログラムを開発した。(倫理面への配慮)侵襲的検査である血管内エコー法については、その保険適用基準にのっとって、通常の心臓カテーテル検査を行った患者のデータを利用したものであり、特別に検査を行って得たものではない。その心臓カテーテル検査についても、血管内エコー法を行うことを含めてあらかじめ患者に同意を得たものである。:C.研究結果:3次元的な解析によれば、プラークの破綻には種々のパターンがあり、複雑な過程を経ていることが判明した。 (2)MDCTでのシェアストレス表示に成功し、シェアストレスが低い箇所にプラークが形成されやすいことが改めて示され、本法の正確性が示唆された。D.E.考察・結論:プラーク破綻のメカニズムが新たに解明され、シェアストレスの新しい表示法が開発できたことは、プラークの不安定性を定量評価する意味で重要な成果である。
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Research Products
(3 results)