2007 Fiscal Year Annual Research Report
心不全における細胞の生死に係るミトコンドリア機能解析と生体組織工学的アプローチ
Project/Area Number |
19590826
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
金井 恵理 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学研究科, 助教 (20372584)
|
Keywords | 心不全 / ミトコンドリア / オートファジー / アポトーシス / 国際研究者交流 / 米国 |
Research Abstract |
本研究の目的は、"心不全における心臓構成細胞の生死あメカニズムを、ミトコンドリア機能の解析に焦点を当て、生物学・生体組織工学の両方のアプローチを通して明らかにする。"ことである。そのうえで、平成19年度には主に次の二つの計画を立てた。 (1)in vitroにおける心臓構成細胞のミトコンドリア機能の解析研究 (2)in vivoにおける心筋保護に適した細胞環境の研究 (1)について、ラットやマウス心から調整して培養心筋細胞および繊維芽細胞を用意し、心不全を模倣したストレスをかけて、酸素電極、電子顕微鏡、フローサイトメトリー、western blottingや免疫染色、など、多方面からミトコンドリア機能を検討した。その中で、doxorubicinを用いて心筋ミトコンドリア障害モデルを作製することに成功し、明らかな心機能低下が現れる前に心筋ミトコンドリア障害が起こり、これを抑制することによって心不全の進展を食い止めることができることを発見した。(第72回日本循環器学会学術集会、第57回米国心臓病学会会議口演発表、論文投稿中)。 (2)心筋保護に適した細胞環境を研究する過程で、「心不全における心筋細胞の生死には、心筋アポトーシスに係るミトコンドリア機能に関連して心筋オートファジーが関与する」という興味深い知見を得た。しかしながら当時、オートファジーをより正確に評価するAutophagic Fluxについての報告はほとんどなかった。そこで、この分野の世界第一人者である米国San Diego大学BioScience Center長R.A.Gottlieb博士と、心不全におけるAutophagic Fluxに関する共同研究を開始した。これまでに、Lysosome活性に着目してin vivo,in vitro両方で用いることのできる心筋Autophagic Fluxの新しい評価方法の開発に成功している。(Iwai-Kanai E,et.al.Autophagy.2008;4(3):322-9.)
|
Research Products
(5 results)