2008 Fiscal Year Annual Research Report
心不全における細胞の生死に係るミトコンドリア機能解析と生体組織工学的アプローチ
Project/Area Number |
19590826
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
金井 恵理 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学研究科, 助教 (20372584)
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Keywords | 心不全 / ミトコンドリア / オートファジー / アポトーシス / 国際研究者交流 / 米国 |
Research Abstract |
本研究の目的は、“心不全における心臓構成細胞の生死のメカニズムを、ミトコンドリア機能の解析に焦点を当て、生物学・生体組織工学の両方のアプローチを通して明らかにする。"ことである。平成19年度に引き続き、主に次の二つの計画によって研究を実施した。 (1) in vitroにおける心臓構成細胞のミトコンドリア機能の解析研究 (2) in vivoにおける心筋保護に適した細胞環境の研究 (1)について、ラットやマウス心から調整して培養心筋細胞および繊維芽細胞を用意し、心不全を模倣したストレスをかけて、酸素電極、電子顕微鏡、フローサイトメトリー、western blottingや免疫染色、など、多方面からミトコンドリア機能を検討した。平成19年度にdoxorubicinを用いて心筋ミトコンドリア障害モデルを作製することに成功したため、平成20年度はこれを用いて心不全を抑制すべく、さまざまな介入事件を行った。その結果、G-CSFが心不全の早期に起こるミトコンドリアの機能異常を改善することによって、心不全の進展を食い止めることができることを発見した。(Am J Physiol Heart Cire Physiol.2009;296(3):H823-32.)。 (2)心筋保護に適した細胞環境を研究する過程で、心不全の進展におけるオートファジーの重要性を見出した。しかしながら、それまで心筋オートファジーをより正確に評価する方法がなかったため、平成19年度にはこの分野の世界第一人者である米国San Diego大学BioScience Center長R.A.Gottlieb博士と研究に取り組み、Lysosome活性に着目した新たな心筋オートファジー評価方法の開発に成功した(Autophagy.2008;4(3):322-9.)。平成20年度には、この方法を用いてLPSによる心筋オートファジーの役割を解明した(Am J Physiol Heart Cire Physiol.2009;296(2):H470-9.)。
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Research Products
(6 results)