2007 Fiscal Year Annual Research Report
抗心筋膜受容体抗体による心筋傷害:抗体吸着療法の開発と創薬の試み
Project/Area Number |
19590836
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
松井 忍 Kanazawa Medical University, 付置研究所, 教授 (00064600)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝田 省吾 金沢医科大学, 医学部, 教授 (40110613)
長尾 嘉信 金沢医科大学, 付置研究所, 准教授 (90131028)
早瀬 満 金沢医科大学, 医学部, 講師 (90064592)
栗原 孝行 金沢医科大学, 付置研究所, 講師 (20064595)
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Keywords | 免疫学 / 心筋症 / 心筋膜受容体 / 自己抗体 / 吸着療法 |
Research Abstract |
鐘淵化学工業株式会社との共同研究にてβ1受容体抗体に対する選択的自己抗体吸着体を開発した。その吸着体を用い、我々が世界に先駆けて作成に成功した実験的自己免疫性心筋症家兎に対する吸着実験を行った。合成β1ペプチドにて免疫し、心エコー法にて心筋症の発症を確認した後、共同開発した吸着体を用い吸着実験を行った。その結果、吸着実験3ケ月後には心肥大ならびに心拡大の改善と心機能の回復を認め、自己抗体吸着療法の有効性が確認された。今後は、この成果をもとに拡張型心筋症患者への自己抗体吸着療法として臨床応用を目指す予定である。これらの研究に関連して、抗β1受容体抗体ならびに抗M2受容体抗体がそれぞれの受容体に対し結合能を有するとともに刺激作用を有することを利用し、β1およびM2受容体に対するモノクローナル抗体を作成し、臨床診断薬や治療薬としての可能性を検討中である。 また、β1受容体に対する自己免疫機序による心筋障害の発症メカニズムを解明する目的で、β1ペプチドで免疫された家兎血清の初代培養ラット心筋細胞に対する細胞障害作用を検討した。培養ラット新生児心筋細胞培養液中に免疫血清添加数日後に、光顕にて培養細胞質に多数の液胞が、電顕にて2重膜や内部に細胞構造体を含んだ液胞が多数認められた。Oil Red-O染色にてこれらの培養心筋細胞質に多数の脂肪滴がみられた。一方、培養細胞数は免疫家兎血清添加数日後には減少し、かつ、死細胞の割合が増加した。この変化は、精製された抗β1抗体やイソプロテレノールでは誘発されなかった。以上の成績は抗β1抗体による細胞障害はオートファジィーによる可能性が高いこと、および、抗体自体が直接心筋細胞にはたらくためでないことが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)