2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19590841
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
浦田 秀則 Fukuoka University, 筑紫病院, 教授 (30289524)
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Keywords | 心臓病態学 |
Research Abstract |
平成19年度の本研究目標は,1)新しいヒトキマーゼ測定法の開発,2)人循環血中の白血球のキマーゼ活性の測定を確立することであった。この目的1については,すでに確立し,その成果については,平成18年10月に開かれた国際高血圧学会と平成20年3月に開かれた日本循環器学会にて発表した。すなわちキマーゼの基質となるアンジオテンシンIをNma/Dnpにて修飾し,その有効性を生化学的に検証し,測定法として確立した。本研究目的2の臨床の循環器系疾患を持つ患者での測定を,平成19年度は精力的に遂行し,約400名の患者から集められた白血球中のキマーゼ活性を測定した。その結果は,循環血中単核球のキマーゼ活性は主に炎症性マーカー(CRP白血球数)やインスリン抵抗性の指標(HOMA-IR)や性別(男性)などと有意な相関性を示した。これらの結果は循環器疾患の誘因となる危険因子のある患者では,循環血中単核球中のキマーゼ活性が高いことが示唆され,心血管病の予測因子となることが示唆された。現在は疾患別の差や治療による効果などを判定中である。さらに,生活習慣を含併する循環器疾患での層別化解析を行うこともどのような病態でキマーゼが役割を持つかを明らかにできる。このような結果は,無症状ではあるが危険因子を抱えたハイリスク患者の診療において,予後予測因子として循環血単核球中キマーゼ測定が有用になる可能性を示している本研究の成果が将来の循環器疾患の臨床に応用できるように,本研究を推進したい。
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Research Products
(6 results)