2007 Fiscal Year Annual Research Report
内因性心臓保護機構の分子解明-新しい心不全治療法の開発に向けた基盤的研究
Project/Area Number |
19590845
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
岸本 一郎 National Cardiovascular Center Research Institute, 動脈硬化代謝内科, 医師 (80312221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳留 健 国立循環器病センター研究所, 病因部, 室長 (00443474)
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Keywords | ナトリウム利尿ペプチド / グアニル酸シクラーゼ / RGS |
Research Abstract |
「ナトリウム利尿ペプチドの心臓リモデリング抑制作用におけるregulator of G proteinsignaling (RGS)の関与」を証明するため、今年度は、まず、生体における心臓内局在および発現調節解析を行った。RGSは、GTPase活性を有すると考えられているRGSドメイン(約120アミノ酸)を特徴とする蛋白質ファミリーの総称であり現在20種類が報告されている。どのサブタイプが心筋細胞/非心筋細胞(線維芽細胞、血管内皮細胞、血管平滑筋細胞、神経細胞、免疫細胞)または、刺激伝導系特殊心筋細胞に発現しているのかを検討するため、RGSサブタイプごとに免疫組織化学(IHC)およびin situ hybridization(ISH)法を確立し、これを用いて野生型およびGC-A遺伝子欠損マウスの心臓内局在を調べた。RGS-2とRGS-4に対する特異抗体を用いた免疫染色の結果からRGS-2が冠動脈に、RGS-4が心筋細胞に染色され、野生型の正常心臓ては両者が対照的な局在を呈することを明らかにした。この2種類のRGSの局所発現パターンは、心臓局所におけるナトリウム利尿ペプチド系との相互作用を理解する上で重要な示唆を与える情報となると考えられた。RGS遺伝子発現の高感度定量が可能なreal time PCR の系もLightCycler Quick System(Roche Diagnostics社)を用いてすでに構築済みであり、今後これらの系を用いて、さらに生体におけるRGSの重要性に検討を進め、ナトリウム利尿ペプチドの心臓保護作用における役割に焦点をあてて研究する予定にしている。
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