2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規血管新生抑制因子バソヒビンによる血管内皮の老化と細胞死の抑制
Project/Area Number |
19590847
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮下 浩輝 Tohoku University, 加齢医学研究所, 助教 (80302222)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 靖史 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (50178779)
|
Keywords | バソヒビン / 血管新生抑制因子 / アポトーシス / 細胞の老化 |
Research Abstract |
vasohibin-1はVEGFなどの血管新生因子に反応して血管内皮細胞が産生・分泌し、自らに作用して血管新生を抑制するユニークな分子である。申請者はこれまでにvasohibin-1の遺伝子を安定導入したマウス内皮細胞では、H_2O_2などの種々の細胞ストレスに対して細胞死を抑制すること、逆にヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)においてvasohibin-1の発現をノックダウンすると細胞老化に陥った後、細胞死がひきおこされることを確認してきた。 平成20年度における研究の進展として、(1)抗老化作用をもつSIRT1の発現がHUVECにおいてvasohibin-1の発現増加に伴い増加し、逆にvasollibin-1の発現減少に伴い減少すること、さらにSIRT1の強力な活性物質であるレスベラトロールがvasohibin-1の発現をノックダウンにより老化した内皮細胞をレスキューすることを示した。このことからvasohibin-1は一部、SIRTIの発現を調節することにより内皮細胞の老化に関与していることを明らかにした。SIRTIはp53, FOXOsなどを脱アセチル化することによって細胞の生存および老化などを調節することから、現在、vasohibin-Iとそれらの分子との関連も解析中である。(2)HUVECにおいてsuperoxide dismutase-2の発現がvasohibin-1の発現の増加に伴い増加し、逆にvasohibin-1の発現を低下させると減少し、活性酸素(ROS)が増加することを見出した。このことからvasohibin-1が活性酸素の産生抑制または除去促進にも関与していると考え解析中である。in vivoにおいてはvasohibin-1ノックアウトマウスの寿命や加齢による変化、特に動脈硬化の進行について解析中である。
|
Research Products
(2 results)