2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19590849
|
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
渡邊 博之 Akita University, 医学部, 准教授 (80323145)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 宏 秋田大学, 医学部, 教授 (10232464)
村上 学 秋田大学, 医学部, 准教授 (80302090)
|
Keywords | 循環器・高血圧 / シグナル伝達 / 発現制御 / 血管内皮 / カルシウムイオン / 生体分子 / ストレス |
Research Abstract |
内皮機能異常は、動脈硬化の進展や心不全患者の生命予後とも深く関わっている。内皮機能の指標としては、アゴニスト刺激やシェアストレスによる内皮依存性弛緩反応が知られているが、内皮機能異常に関わるイオンメカニズムの詳細はわかっていない。近年、シェアストレスのメカノセンサーとして内皮transient receptor potential vanilloid 4(TRPV4)チャネルが注目されている。私達は、内皮TRPV4チャネルがメカニカルストレスによって活性化されるメカニズムとして、PLA2下流のアラキドン酸代謝物が内因性アゴニストとして働くことを明らかにした。また、ヒト冠動脈内皮細胞にアンギオテンシンIIによる動脈硬化刺激を与え傷害内皮細胞モデルを作製し、TRPV4の発現をRT-PCR, Western blottingで評価、さらに同モデルにおけるTRPV4を介したCa反応、非選択的陽イオン電流、NO産生を検討した。その結果、傷害内皮細胞ではアンギオテンシンIIの濃度依存性にシェアストレスセンサーTRPV4の発現が低下していた。またその結果と一致してシェアストレスによるCa流入、非選択的陽イオン電流の減少、最終的にNO産生も低下していた。これらの結果は、TRPV4チャネルの内皮機能異常への関わりをあきらかにしたものであり、今後臨床上、TRPチャネルをターゲットとした新たな内皮機能改善薬の開発に道を開くものと思われる。
|