2008 Fiscal Year Annual Research Report
G-CSFの動脈硬化に対する進展抑制作用の検討と,その機序の解明
Project/Area Number |
19590851
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
長谷川 洋 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教 (50375656)
|
Keywords | 動脈硬化 / G-CSF / サイトカイン治療 / 内皮障害 |
Research Abstract |
ウサギモデルでの結果をもとに,マウスモデルに系を移してG-CSFによる動脈硬化進展抑制の機序を詳細に検証した。 ウサギモデル同様に,高脂血症動脈硬化発症モデルであるApoEノックアウトマウスにおいても,G-CSF投与によって,血清脂質は変化させないが,大動脈基部での動脈硬化面積を縮小させた。動脈硬化の病態に炎症系が関与していることは広く知られており,従来のマクロファージに加えて,T細胞の関与が明らかになってきていることから,この点を検証した。FACSいよる解析によって,G-CSFの投与によって,野生型マウスにおける,リンパ節および脾臓でのCD4+CD25+regulatoly T細胞の増加が確認された。G-CSFは,動脈硬化巣においてCD4陽性T細胞やマクロファージ数は変化させないが,FOXP3陽性regulatoly T細胞数を1.8倍程度増加させた。また,動脈硬化巣における炎症抑制性サイトカインIL-10の濃度を2倍程度まで亢進させ,また,動脈壁におけるIL-10遺伝子発現を亢進(1.5-2.0倍)させた。以上より,G-CSFの動脈硬化進展抑制作用については,リンパ球T細胞の組成変化,特に,regulatoly T細胞の増加を介していることが示唆されたことから,regulatoly T細胞系の抑制された遺伝子改変マウスを用いて,さらにこれを検証している。
|