2008 Fiscal Year Annual Research Report
血管石灰化におけるGas6-Axl経路を介した制御機構の解明と治療への応用
Project/Area Number |
19590854
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飯島 勝矢 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 講師 (00334384)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 純人 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (20323579)
大内 尉義 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (80168864)
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Keywords | 血管石灰化 / 高リン血症 / 細胞アポトーシス / Gas6-x1 |
Research Abstract |
心血管石灰化におけるアディポサイトカインの役割の解明 TNF-αは高リン刺激による血管平滑第細胞石灰化をより促進し、そのメカニズムとしては、リン刺激によるアポトーシスがTNF-αにより増加し、Gas6-Ax1 survival pathwayが抑制される。この石灰化促進作用に対して、adiponectinは抑制的に働く。機序はリン刺激により低下するGas6 promoter活性を回復させることによる。(Endoceinology 2008;149(4):1646-53) 腎不全ラットモデルでの大動脈石灰化における新しい制御法・治療法の開発 大動脈におけるメンケベルグ型血管中膜石灰化モデル動物を作成した。水溶性スタチンおよびAngiotensin II type 1受容体阻害薬は大動脈石灰化を濃度依存的に抑制した(投稿準備中)。 腎機能と大動脈石灰化の相関および心血管イベント発症に関する臨床的検討 胸部X線上の大動脈弓石灰化(AAC)の石灰化の程度をグレード分類した。AACグレードは、腹部大動脈の石灰化レベル、年齢、脈圧と正の相関を示し、危険因子が重積により石灰化グレードも有意に増加した。また腎機能低下と有意な関連を示した。予後調査において、AACグレードの高い群で心血管イベント発症が多く、独立した予測因子である(J Atheroscler Thromb, in press)。 血管石灰化現象における性差・性ホルモンの作用に対する検討高リン刺激による血管平滑筋細胞石灰化は女性ホルモン・男性ホルモン投与により濃度依存的に抑制され、細胞アポトーシスも抑制された。男性ホルモンの石灰化抑制作用はアンドロゲン受容体拮抗薬であるFlutamideの併用により打ち消され、機序は刺激により抑制されるGas6-Ax1 survival pathwayを回復して抗アポトーシス作用を介する(投稿準備中)。
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Research Products
(5 results)