2008 Fiscal Year Annual Research Report
重症閉塞性末梢動脈疾患に対するミッドカイン(MK)補充血管新生治療法の開発
Project/Area Number |
19590860
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
堀場 充 Nagoya University, 環境医学研究所, 准教授 (40345913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児玉 逸雄 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (30124720)
門松 健治 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80204519)
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Keywords | ミッドカイン / 下肢虚血 / 新生血管 |
Research Abstract |
MKによる血管新生能の確認:マウス皮下にマトリゲル等細胞基質とともにMK蛋白を投与し、その基質内への血管浸潤の程度をbFGF、VEGFなど他の血管新生因子との間で比較検討した。さらに血管内皮系の細胞培養実験において細胞による管腔形成の程度についても同様にMKと他の血管新生因子との比較解析を行った。その結果MK蛋白はマトリゲル内血管形成、細胞の管腔形成ともbFGF、VEGFと同等の効果を示した。 マウス下肢虚血モデルの作成とMK投与による血流改善の評価:マウス腸骨動脈の結紮、除去により下肢虚血モデルを作成する。虚血下肢の内転筋に対してMK蛋白を含有した蛋白徐放剤およびMK発現アデノウイルスを筋肉内注射し、レーザードップラー計にて経時的に血流量を測定することでMKの治療効果を判定した。また新生血管の機能評価については組織酸素分圧の測定を行うとともに、形態学的にも詳細に解析し、病的血管発生の有無について確認した。その結果MKによって増殖を示した新生血管はVEGFと比較して有意に奇形が少なく、b FGFによる新生血管と同等であった。これらの事から、MKは虚血下肢での血管新生能を有し、その際の病的血管形成も少ないことが明らかとなった。 血管新生に与えるMKの分子生物学的メカニズム解明:上記の培養細胞および虚血下肢組織を採取し血管新生関連因子とMKとの関係をPCR法、Western blotting法、免疫組織染色法を用いて解析したところ、MK投与により、ERKおよびAktが活性化されることが判明した。
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