2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19590862
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
石田 達郎 Kobe University, 大学院・医学研究科, 助教 (00379413)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 健一 神戸大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20283880)
小谷 義一 神戸大学, 大学院・医学研究科, 講師 (90403287)
|
Keywords | 血管内皮 / 血管新生 / 末梢血管 / 循環器 / 接着分子 |
Research Abstract |
ESAM阻害の腫瘍血管新生と腫瘍成長に及ぼす効果(前年度より継続) 野生型およびESAM欠損マウスの尾静脈からB16F10メラノーマ細胞を静脈内播種し、肺への血行性転移を評価した。ESAM欠損マウスでは、野生型マウスに比べて有意に肺への腫瘍転移が抑制されていた。腫瘍組織を病理学的に解析したところ、ESAM欠損マウスの転移組織では、腫瘍血管の数、分岐数、内腔面績がいずれも少なく、腫瘍血管の発育が抑制されることにより転移巣の大きさと数が減少したことが示唆された。培養細胞を用いた検討では、癌細胞は血管内皮細胞におけるESAM発現を亢進させる分子を産生していることが示された。 また、内皮細胞におけるESAM発現をsiRNAとtransfectionの系を用いて変化させたところ、内皮細胞におけるESAM発現はB16F10細胞の接着能と正の相関があることが明らかとなった。すなわち、血管内皮におけるESAMは腫瘍細胞と未知のリガンドを介して接着活性を有することが明らかとなった。以上の結果から、血管に富む腫瘍細胞は内皮細胞におけるESAM発現の亢進を介して内皮の遊走能と血管新生を刺激することによって腫瘍血管を増生させ、その結果、腫瘍は血管依存的に増大することが示された。したがって、生体内においてESAMの機能を阻害することは、腫瘍血管新生と腫膓増大を抑制することが示された。本研究は、腫瘍血管新生を標的とした新規の抗腫瘍療法の開発に繋がるものと期待される。
|
Research Products
(13 results)