2007 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮機能を標的としたグルココルチコイド誘発性血管障害に対する新規治療法の開発
Project/Area Number |
19590866
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
赤池 雅史 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (90271080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粟飯原 賢一 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (70372711)
岩瀬 俊 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (10403718)
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Keywords | 血管内皮機能 / 一酸化窒素合成酵素 / HMGCoA還元酵素阻害薬 / 血管内皮細胞 / 高血圧 / グルココルチコイド / 多面的作用 / ゲラニルゲラニルピリン酸 |
Research Abstract |
12週令のオスC57BL6/Jマウスに、デキサメサゾン(DEX)0.3mg/dayを14日間経口投与し、DEX投与開始7日前からピタバスタチン0.3mg/kg/dayの経口投与を行った。DEX投与群では有意な血圧上昇がみられたが(平均血圧:DEX投与群85.7±3.6mmHg vsコントロール群73.1±5.5mmHg、p<0.01)、ピタバスタチンの投与はこれを完全に抑制した。DEX投与群では下肢の一過性虚血による大腿動脈の血流依存性血管拡張反応、尿中硝酸/亜硝酸排泄量、大動脈における内皮型NO合成酵素(eNOS)発現量がいずれも低下していたが、ピタバスタチンの投与群ではこれらはいずれも改善していた。培養ヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)では、10^-5MのDEX添加によりeNOS蛋白発現が有意に低下したが、10^-5Mのピタバスタチン添加はeNOS発現を著明に増加させた。また、DEXを添加したHUVECにおいてピタバスタチンはluciferase assayによるeNOSプロモーター(-1193/+109、-1001/+109、-742/+109、-265/+109)の活性をいずれも有意に亢進した。さらに、DEXはeNOSのmRNAの不安定性を亢進したが、ピタバスタチンはこれを改善した。このようなピタバスタチンによるeNOS発現亢進作用は、イソプレノイド中間体であるメバロン酸あるいはゲラニルゲラニルピロリン酸の同時添加により、完全に消失した。ピタバスタチンは血管内皮細胞においてeNOSプロモーター活性を亢進するとともにeNOSのmRNAの安定性を改善した。ピタバスタチンはグルココルチコイド誘発性血管障害の新規治療法となる可能性がある。
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Research Products
(6 results)