2007 Fiscal Year Annual Research Report
アンジオテンシンによるTリンパ球系幹細胞の分化・増殖・活性化と不安定プラーク破綻
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19590870
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
山田 浩之 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学研究科, 助教 (00240036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 弘明 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (10239072)
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Keywords | アンジオテンシン / 動脈硬化 |
Research Abstract |
[研究の概要]骨髄細胞はアンジオテンシンII(Ang II)タイプ1(AT1)受容体を発現しているが、動脈硬化病変形成や不安定プラーク破綻の関与については十分解明されていない。本研究の目的は、アポE欠損(apoE^<-/->マウスの骨髄をAT1受容体欠損(Agtr1^<-/->)マウスの骨髄で置換した骨髄移植モデルを用いて、骨髄由来細胞AT1受容体の動脈硬化形成における機序を明らかにすることである。 [研究実績]8週齢apoE^<-/->マウスに全身X線照射後、Agtr1^<-/->マウスまたは野生型(Agtr1^<+/+>)マウスの骨髄細胞をそれぞれ静脈内投与し、apoE^<-/->/BM-Agtr1^<-/->マウスおよびapoE^<-/->/BM-Agtr1^<+/+>マウスを作製した。移植4ケ月後より高脂肪食を開始し、2カ月後に組織学的解析を行った。24週齢におけるapoE^<-/->/BM-Agtr1^<-/->マウスの動脈硬化領域はapoE^<-/->/BM-Agtr1^<+/+>に比べて有意に抑制されていた。末梢血中の単球およびリンパ数はapoE^<-/->/BM-Agtr1^<-/->マウスで有意に減少していた。さらに骨髄内の単球・マクロファージ前駆細胞の分化・増殖における骨髄AT1受容体の関与を検討するため、骨髄中のHematopoietic Stem Cells(HSCs),Common myeloid progenitors(CMP)、Granulocyte/Macrophage Progenitors(GMP)数をFACS解析により検討した。HSC数は両群間で有意差を認めなかったが、CMP,GMP数はいずれもapoE^<-/->/BM-Agtr1^<-/->マウスにおいて有意に減少していた。 [研究発表および今後の方針]上記の研究成果は、American Heart Association Scientific Sessions 2007において発表された。今後は、骨髄単球系細胞の分化・増殖メカニズムにおける骨髄AT1受容体の働きを明らかにするとともに、リンパ球系前駆細胞の分化・増殖における働きと動脈硬化形成におけるその意義についても解析を進める予定である。
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