2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19590875
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
森崎 裕子 National Cardiovascular Center Research Institute, バイオサイエンス部, 室長 (40311451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森崎 隆幸 国立循環器病センター研究所, バイオサイエンス部, 部長 (30174410)
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Keywords | 若年性大動脈解離 / マルファン症候群 / Loeys-Dietz症候群 / FBN1 / TGFBR1 / TGFBR2 / 遺伝子解析 |
Research Abstract |
マルファン症候群(MFS)・遺伝性大動脈解離症候群(TAAD)・Loeys-Dietz症候群(LDAS)はいずれも若年性大動脈解離を高率に合併する遺伝性疾患群であり、遺伝学的診断が早期診断・早期治療に役立つことが期待されている。これらの疾患の原因遺伝子として、昨年までに、FBN1、FBN2、TGFBR1、TGFBR2、GLUT10、MHY11、COL3A1遺伝子が報告されていたが、新たに、ACTA2遺伝子も報告された。今年度は、若年性大動脈解離の患者66名の末梢血リンパ球から抽出したゲノムDNAを用いたFBN1、FBN2、TGFBR1、TGFBR2各遺伝子の変異解析を行い、これらで変異が検出されなかった症例については、、GLUT10、ACTA2各遺伝子の変異解析、MLPA法によるFBN1及びTGFBR2遺伝子のゲノム定量解析も行った。さらに患者大動脈置換手術を受けた患者13例については、摘出大動脈組織およびこれより初代培養分離した血管平滑筋細胞から抽出したRNAを用いて、上記遺伝子および、COL3A1、MYH11のRT-PCR解析を行った。その結果、38例でFBN1遺伝子変異、1例でFBN2遺伝子変異、8例でTGFBR2遺伝子変異、3例でACTA2遺伝子変異を同定した。このうち、1例はRT-PCR解析により初めてFBN1変異を同定でき、また1例はMLPA法によりFBN1遺伝子の複数のエクソンにわたる広範囲の欠失を認め、これらの解析方法を通常のゲノム解析に加えることにより、変異検出効率が上がることが確認された。また、FBN1の早期停止型変異を有した変異は13例あったが、このうちRT-PCR解析が可能であった5例については、全例で、NMD (nonsense mediated decay)を認め、これらの症例が、FBN1のハプロ不全で発症していることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)