2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19590880
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
高畠 典明 Yamagata University, 医学部, 非常勤講師 (80344795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二藤部 丈司 山形大学, 医学部, 助教 (30400542)
高崎 聡 山形大学, 医学部, 助教 (20400541)
宮本 卓也 山形大学, 医学部, 助教 (20447204)
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Keywords | COPD / 体重減少 / PLA2 / SNP / 喫煙 |
Research Abstract |
我々は以前、COPD患者からDNAを分離し、PLA2G2D遺伝子の一塩基遺伝子多型において、80番目のアミノ酸がグリシンからセリンに置換することによって、有意な体重減少を生じることを見出した。今回の研究はその分子生物学的な機序を検討することである。 肺細胞A549にグリシン型とセリン型のPLA2G2D遺伝子を組み込んだプラスミドベクターを用いて遺伝子導入し、安定発現細胞を樹立した。その2群でホスホリパーゼ活性を測定したところ、両群間で活性には全く差を認めなかった。すなわち、この遺伝子多型の差によってもたらされるCOPD患者の体重減少はPLA2の酵素活性の差によるものではないことが示された。 さらに、この2つの型の安定細胞に刺激を加えたときに、細胞がどのように反応するかを、COPD患者の体重減少に密接に関与するサイトカインである腫瘍壊死因子(TNF-alpha)や代表的な酸化ストレスである過酸化水素で刺激を加えることによって検討した。その結果、セリン型のPLA2G2D遺伝子を導入された細胞は、グリシン型のPLA2G2D遺伝子を導入された細胞よりも強くインターロイキンー6やインターロイキンー8といった炎症性サイトカインを発現することが理解された。COPDの体重減少には全身の慢性炎症が関与することが示されており、PLA2G2D遺伝子の遺伝子多型の差によってもたらされるCOPD患者の体重減少はサイトカイン誘導能の差に基づくものである可能性が強く示された。
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Research Products
(3 results)