2008 Fiscal Year Annual Research Report
喫煙や加齢が骨髄幹細胞や気管支肺胞幹細胞に作用し、肺の修復にあたえる影響について
Project/Area Number |
19590881
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
笠原 靖紀 Chiba University, 医学部・附属病院, 講師 (60343092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂尾 誠一郎 千葉大学, 医学部・附属病院, 助教 (80431740)
巽 浩一郎 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (10207061)
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Keywords | 再生医学 / 老化 / 内科 / 有害化学物質 / 環境 / たばこ |
Research Abstract |
肺気腫の発症機序として、肺気腫の発症機序として従来はプロテアーゼ・アンチプロテアーゼ不均衡説やオキシダントアンチオキシダント不均衡説が広く支持されてきたが、加齢や喫煙のために肺胞構造を維持するシステムが十分に機能できなくなることも重要ではないかと考えられる。肺胞構造を維持するには、肺胞が常に修復されている必要がある。近年様々な細胞が骨髄由来幹細胞から分化しうることが示され、再生医療への応用が期待されている。また肺組織内には、骨髄由来幹細胞だけでなく、bronchioalveolar duct junctionに位置する気管支肺胞幹細胞(bronchioalveolar stem cells)が存在していることが近年明らかにされた。気管支肺胞幹細胞は傷害に抵抗性があるといわれている。COPDの主要なリスクファクターである喫煙と加齢は、肺の修復にどのような影響をおよぼしているかを、喫煙が骨髄幹細胞や脂肪組織、気管支肺胞幹細胞に作用し、肺の修復にあたえる影響について研究した。喫煙曝露装置を用いて、マウスに喫煙曝露を行った結果、喫煙により血液に血管内皮前駆細胞は速やかに動員され、その後漸減した。また、骨髄・脾臓の血管前駆細胞数は喫煙により減少していた。一方肺組織中のVEGF発現量は喫煙で速やかに上昇し、その後減少してゆき、骨髄由来前駆細胞の動員や減少に関連があると思われた。VEGF系シグナルなどの細胞増殖、分化促進因子の発現低下は、骨髄幹細胞を抑制して肺の修復能を抑制している可能性が考えられた。また喫煙曝露により、体重減少がおきるが、脂肪細胞中のMCP-1mRNA発現が亢進し、脂肪組織中へのマクロファージの集積が認められた。喫煙曝露は、肺組織や血管に酸化ストレスや炎症性変化を引き起こすと考えられているが、脂肪組織へも炎症性変化を誘導する可能性があると考えられた。
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Research Products
(1 results)