2008 Fiscal Year Annual Research Report
突発性肺線維症急性増悪特異的自己抗体の臨床応用に関する基礎的研究
Project/Area Number |
19590882
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
黒須 克志 Chiba University, 大学院・医学研究院, 助教 (20291106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝口 裕一 千葉大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (30272321)
巽 浩一郎 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (10207061)
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Keywords | SEREX法 / 間質性肺炎 / 自己抗体 |
Research Abstract |
II型肺胞上皮癌培養株(A549)cDNAライブラリーを用いたSEREX(serological analysis of recombinant cDNA expression libraries)法により、特発性肺線維症急性増悪関連自己抗体として抗アネキシン1抗体を検出した。A549培養株のm-RNAからQIA express蛋白質精製システムを用いて6XHisタグ標識アネキシン1抗原蛋白を作成し、Ni-NTA HisSorb PlateによるELISA解析を確立した。このELISA法を用いて特発性間質性肺炎および膠原病性間質性肺炎の血清中および気管支肺胞洗浄液中の自己抗体の出現頻度について解析を行った。特発性肺線維症急性増悪症例では、病状が安定した特発性肺線維症や膠原病関連間質性肺炎、間質性肺炎以外のび慢性肺疾患に比較して高力価の抗アネキシン1抗体が血清中および気管支肺胞洗浄液中に存在していた。Western blot解析では、抗アネキシン1抗体の上昇している急性増悪症例において、N末端が欠損したshort formのアネキシン1蛋白が強く発現していた。さらに、アネキシン1のN末端エピトープのペプチドは、BAL液中のCD4陽性細胞を刺激し増殖を亢進させる作用を有していた。特発性肺線維症急性増悪症例において、アネキシン1のN末端エピトープに対する免疫反応が重要な役割を果たしていることが示唆された。
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