2008 Fiscal Year Annual Research Report
3DCTを用いた新しい肺血管定量評価法と肺血栓塞栓症コンピュータ支援診断の開発
Project/Area Number |
19590883
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
田邉 信宏 Chiba University, 医学部・附属病院, 講師 (40292700)
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Keywords | 肺血栓塞栓症 / CT / 肺動脈 |
Research Abstract |
研究の目的は、肺血管床の定量評価と肺血栓塞栓症の自動診断システムの開発である。平成19年度の研究で、慢性に加えて急性肺血栓塞栓症の重症例みられることが判明した肺野のモザイクパターンに着目した。モザイクパターンのCT値の閾値は-700で肺気腫の-960程度と異なった。一方、重力効果でみられるCT値の上昇とモザイクとの鑑別は肉眼では可能であるが、自動解析システム上はその鑑別を含めると正常部位を抽出する可能性が上昇した。研究支援者の仁木らは、腫瘤影に加えて、肺線維化、肺のconsolidation、胸水等を自動認識するプログラムを開発した。このシステムは、今後の一般臨床医ならびに呼吸器専門医の補助診断として貢献するものと考えられる。 肺血管の定量評価については、造影CTを用いて肺血管閉塞率を調べたところ、急性例では収縮期肺動脈圧と肺血管閉塞率に良好な相関がみられたが、慢性例では不良であった。また女性は端正に比して血栓が末梢に存在した。慢性例で重症度との相関が不良な原因として、末梢の肺動脈の狭窄が考えられた。そのため、造影CTおよび非造影CTにおいて、亜区域枝径までの径を測定したところ、造影CT上の亜区域枝径/区域枝径の値が小さいほど肺高血圧症が重症であることが判明した。亜区域枝径/区域枝径比は、肺高血圧症の重症度を予測する重要な因子になることが考えられる。さらに、肺動脈径の自動測定システムおよび肺動脈容積の自動測定システムを開発した。結果、中枢から末梢までの肺動脈径の変化を追うことができた。また、肺動脈容量の肺血管全体容量や肺全体容量に対する比が、急性および慢性肺血栓塞栓症で低下していることが明らかになった。造影CTを用いた本手法による肺血管の定量評価は、新しい画像診断による肺高血圧症の重症度評価法になることが考えられる。
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Research Products
(18 results)