2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19590884
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
多田 裕司 Chiba University, 医学部・付属病院, 助教 (50344990)
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Keywords | 肺高血圧 / BMPR2 / トランスジェニックマウス / エストロゲン |
Research Abstract |
共同研究者であるVanderbilt大学のDr. J Westの研究室よりdn-BMPR2トランスジェニックマウウスを輸入し、極細心臓カテーテルを用いて右室圧測定を行った。dn-BMPR2蛋白を発現させるため、生後まもなくDoxycyclineを餌中に与え肺高血圧の表現系を再現させることに成功した。さらに皮下注入ポンプで持続的にestrogenを投与し、1ヵ月後に右室圧測定、右室肥大の評価を行った。その後、肺病理標本作成、分子生物学的研究のためのRNAを採取した。ERα、βの発現に関しては血管内皮細胞、平滑筋細胞には分布の相違が見られたが、estrogen投与の有無では変化を認めなかった。また右室圧はestrogenを与えた群でやや低下の傾向があったが有意差を検出できなかった。これとは別に肺高血圧の治療に有効と推測される2つの薬剤を用いて治療実験を行った。2つの薬剤とはRhoK阻害剤のFasudilとPDGFB阻害剤のImatinibで、両者で右室圧低下、右室肥大、肺動脈のremoderingの阻害作用が認められた。現在、この2剤につき治療効果のメカニズムを分子生物学レベルで解析中である。
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