2008 Fiscal Year Annual Research Report
難治性炎症性肺疾患の病態形成におけるプロスタグランジンD2とその受容体の関与
Project/Area Number |
19590912
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
浅野 浩一郎 Keio University, 医学部, 准教授 (60192944)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小熊 剛 慶應義塾大学, 医学部, 共同研究員 (20255441)
福永 興壱 慶應義塾大学, 医学部, 共同研究員 (60327517)
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Keywords | 喘息 / 肺線維症 / プロスタグランジン / CRTH2 |
Research Abstract |
われわれはPGD_2/CRTH2経路が気道感染に伴う喘息の増悪と肺線維症の病態を修飾していることを明らかにした。 ウイルス感染による喘息の増悪モデルとして、抗原感作・暴露したラット・マウスの気道に2本鎖RNAを投与することで好酸球性気道炎症と気道過敏性の増悪をきたすモデルを作成した。次に、抗原感作・暴露によって生じたアレルギー性気道炎症の存在下ではシクロオキシゲナーゼ2が誘導されており、自然免疫系活性化に伴いPGD_2産生が亢進することを確認した。さらにPGD_2がCRTH_2経路を介して好酸球性気道炎症と気道過敏性の増悪をきたすことをCRTH2阻害薬、CRTH2ノックアウトマウスを用いて証明した(JImmuno1誌、2008)。このことから、CRTH2阻害薬が喘息の増悪予防薬として使用できる可能性が示唆された。 一方、ブレオマイシン肺線維症モデルにおいてCRTH2が欠損していると、肺の炎症が遷延し、結果的に線維化が促進されることを見出した(論文準備中)。これは何らかの炎症抑制性分子あるいは細胞の機能調節にPGD_2/CRTH2経路が重要な役割を果たしていることを示唆しているが、その本態は不明であり、今後の検討課題として残された。
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