2008 Fiscal Year Annual Research Report
スフィンゴシン-1-リン酸受容体を標的とした急性肺傷害に対する治療戦略
Project/Area Number |
19590918
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
権 寧博 Nihon University, 医学部, 准教授 (80339316)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羅 智靖 日本大学, 医学部, 教授 (60230851)
林 伸一 日本大学, 医学部, 助手 (20445745)
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Keywords | 上皮透過性 / タイトジャンクション / 気道上皮細胞 / EGF受容体 |
Research Abstract |
申請者らは、培養ヒト気道上皮細胞や気管支上皮細胞株Calu-3,16HBEco-細胞を用いてTEER(transepithelial electrical resistance)をTJ形成の指標とし、上皮透過性に重要な内因性因子の探索を行う過程で、TJ形成に係わるいくつかの分子を見出した。EGFRリガンドは気道上皮の透過性バリア形成に不可欠な因子であることが分かった。1ng/ml濃度のEGF及びTGF-αで培養した気管支上皮細胞で最もTEER値の上昇が著しいことが観察され、10ng/ml EGF(TGF-α)以上の濃度では逆に抑制された。EGFRは気管支喘息患者の気道上皮細胞において発現が亢進しているが、過度のEGFRの活性化は上皮バリアの形成を抑制し、気道の脆弱性と関係している可能性が考えられる。上皮の修復機転が十分に働かない場合や、過度の修復が生ずることに、急性肺障害の発症や難治化が関係する可能性がある。至適なEGF刺激によるEGFRの活性化と、過度のEGFRの活性化による上皮バリアの破壊のメカニズムについて、EGFRの活性化状態の違いや、活性化される情報伝達経路の違い、上皮バリア形成に関係する分子の発現の違いなどに関係する可能性が考えられた。さらに、EGFRによって活性化される情報伝達経路の中で、気道上皮のバリア機能形成に重要な情報伝達物質のいくつかを同定した。
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Research Products
(3 results)