2007 Fiscal Year Annual Research Report
ビタミンC不足マウスを用いた慢性閉塞性肺疾患(COPD)発症機構の解明
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19590925
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
島田 信子 Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology, 東京都老人総合研究所, 助手 (60158962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石神 昭人 財団法人東京都高齢者研究, 福祉振興財団・東京都老人総合研究所, 主任研究員 (50270658)
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Keywords | 呼吸器 / 肺 / COPD / ビタミンC / 老化 / 肺気腫 / 喫煙 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は喫煙が主な原因とされる肺の生活習慣病である。申請者らは、ビタミンC(VC)を合成できない遺伝子破壊マウス(SMP30/GNLノックアウトマウス)を作製し、VCの不足が喫煙によるCOPD発症リスクを高めることを明らかにした。しかし、その発症メカニズムは未だ明らかではない。本年度、VC不足により肺での酸化ストレスが増加することを明らかにした。即ち、VCを合成できない遺伝子破壊マウスにマウスが1日に必要とするVC量の2.5%を飲料水から与えて飼育し、1ヶ月、2ヶ月後に気管支肺胞洗浄液(BALF)中の細胞成分を解析した。BALFは生理食塩水を気管支肺胞に注入・回収を反復して局所の肺細胞、気道被覆液を採取する方法である。その結果、VC不足期間に応じて、炎症性マクロファージが増加した。また、HE染色による肺病理組織像から平均肺胞径(MLI)もVC不足期間に応じて拡大した。この時、肺組織中のVC含量は3%以下であった。次に、炎症性細胞の増加やMLIの拡大がVC不足による酸化ストレスの増加によるのか解析するため、BALFや肺組織中の活性酸素種(ROS)の量をcarboxy-H_2DCFDA(C400)を用いて測定した。その結果、VCが不足した遺伝子破壊マウスの肺では野生型マウスに比べて約3倍、ROSの値が高かった。これらの結果は、ヒトにおいてもVC不足が肺でのROSの増加をもたらし、COPD発症リスクを高める可能性を示している。
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Research Products
(8 results)