2008 Fiscal Year Annual Research Report
ビタミンC不足マウスを用いた慢性閉塞性肺疾患(COPD)発症機構の解明
Project/Area Number |
19590925
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
島田 信子 Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology, 東京都老人総合研究所, 助手 (60158962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石神 昭人 東邦大学, 薬学部, 准教授 (50270658)
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Keywords | 呼吸器 / 肺 / COPD / 喫煙 / 老化 / 酸化ストレス / ビタミンC / 肺気腫 |
Research Abstract |
[目的]慢性閉塞性肺疾患(COPD)は喫煙が主な原因とされる肺の生活習慣病である。私たちは、ビタミンCを合成できない遺伝子破壊マウス(SMP30/GNLノックアウトマウス)を作製し、ビタミンCの長期的な不足は寿命を短くすることを明らかにした。COPD発症要因の1つは肺での酸化ストレスの増加と考えられる。そこで本研究では、SMP30/GNLノックアウトマウスを用いて、充分なビタミンCの摂取が喫煙によるCOPD発症リスクを下げられるか検討を行った。 [方法]体内でビタミンCを合成できないSMP30/GNLノックアウトマウスを生後3ヶ月齢までビタミンCを充分に与えて飼育した。その後、マウスを(1)ビタミンC不足群と(2)ビタミンCを充分に与える群の2群に分けた。さらに(1)(2)各群をタバコ煙曝露群と大気曝露群の2群ずつ(全部で4群)に分け、喫煙暴露させた後、肺胞破壊指数(DI)や平均肺胞径(MLI)を測定し、ビタミンC不足群と充分に与えた群で比較した。 [結果]ビタミンCを充分に与えた群は、タバコ煙曝露により軽度の平均肺胞径の増大や肺胞の破壊を認めたが、酸化ストレスの亢進は認められなかった。一方、ビタミンC不足群では酸化ストレスが増大し、顕著な肺胞の破壊を認めた。 [結論]体内でビタミンCを合成できないSMP30/GNLノックアウトマウスを用いて、予めビタミンCを充分に摂取すると喫煙によるCOPD発症リスクを下げられることを明らかにした。
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