2007 Fiscal Year Annual Research Report
小細胞肺癌の多機能幹細胞からの発生・分化機構の解明と治療への応用
Project/Area Number |
19590926
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
堀尾 芳嗣 Aichi Cancer Center Research Institute, 分子腫瘍学部, 研究員 (30344336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長田 啓隆 愛知県がんセンター(研究所), 分子腫瘍学部, 室長 (30204176)
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Keywords | 小細胞肺癌 / 幹細胞 |
Research Abstract |
小細胞肺癌細胞株10株と非小細胞肺癌細胞株15株と切除された正常肺をコントロールに用いて、RT-PCRでHedgehogとNotch両シグナル伝達経路分子のとして,SHH,Ptch-1,Sufu,Fused DLL-1,Notch-1,Notch-2,Notch-3,Ash1の包活的発現解析を行った。Sufu(Suppressor of Fused)に関しては非小細胞肺癌では活性化している、あるいは小細胞肺癌では遺伝子変異などで不活化している可能性を仮説として持っていたが小細胞肺癌と非小細胞肺癌の間で発現の差はなかった。小細胞肺癌においてはNotch-2,Notch-3の発現低下が見られ現在、メカニズムを検討中である。非小細胞肺癌においては19番染色体上にあるNotch-3が発癌に重要であることがDavid Carboneによって報告されている。Notchの発現とある抗がん剤との効果との間に相関が認められ,現在遺伝子導入実験と遺伝子ノックアウトによる確認作業中である。これが実証されれば、非小細胞肺癌化学療法の個別化治療の1つの指標としてNotchが有用であることを示す可能性がある。 EGFRチロシンキナーゼ阻害剤投与にて長期完全奏効したIV期肺腺癌患者の原発単再発を外科的摘出病理標本で腺癌+小細胞肺癌を示したケースを我々の施設で平成19年秋に経験した。腺癌部分も小細胞肺癌部分もEGFR遺伝子L858R変異を認め腺癌への分化と小細胞肺癌への分化を示しうる幹細胞の存在からの小細胞肺癌への癌化過程を仮説として成り立つと考えている。この検体を用いてHedgehogとNotch両シグナル伝達経路分子の関与について検討中である。
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Research Products
(3 results)