2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19590930
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
竹内 和久 Tohoku University, 大学院・薬学研究科, 教授 (40260426)
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Keywords | トランスポーター / ギテルマン症候群 / メタボローム解析 / NaCl代謝 / 腎機能 / CKD(慢性腎臓病) / NMR |
Research Abstract |
平成19年度は以下の点を明らかにした。 1)ヒトの生体材料(尿、血液)を用いた代謝産物の一斉分析を目的としてNMR(核磁気共鳴)メタボローム解析系を確立した。その準備としてNMR測定装置の整備、ソフトウェアーの整備、周辺機器の整備を行った。水溶媒サンプル測定のためにプロトン専用プロ-ブを日本電子(株)から貸与してもらうことで質のよいスペクトルを得ることに成功した。 2)健常者の血漿や尿の収集をによってスペクトルの個人間のばらつきを、統計解析(PCA)によって把握した。これは生活習慣病などの把握の基礎データとして用いられる。 3)透析患者の透析前後の血漿を多検体NMR測定し、ソフトウェア(Alice2 for Metabolome)を用いて主成分分析を行った。パターンの変化とそれに伴う代謝産物の変動を捉えた。 4)ギテルマン症候群患者の血液や尿を用いて、メタボローム解析を実施し、主成分分析にて代謝物のパターンを類型化した。 5)慢性腎臓病(CKD)患者の血漿のNMR測定を行い同様な解析で病態進行ステージを類型した。ことに最終ステージの透析患者のパターンは明確にと他のステージと区別された。またこの結果代謝物の変動が包括的に把握できた。腎機能の評価に使われるクレアチニンの変動はもちろんのこと、それ以外にトリメチルアミンNオキシド、グルコース、ラクテート、アセテートの変動が明らかになった。体内での代謝の亢進が示唆された。このようにあらかじめターゲットを決めないメクボロミクス法では、予期せぬ代謝物の変動を捉えることが可能であることを示した
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