2008 Fiscal Year Annual Research Report
IgA腎症における糖鎖不全IgA1産生に対する黄色ブドウ球菌膜蛋白抗原の関与
Project/Area Number |
19590931
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
清水 芳男 Juntendo University, 医学部, 准教授 (50359577)
|
Keywords | 黄色ブドウ球菌膜蛋白抗原 / IgA腎症 / IgAヒンジ部0-結合型糖鎖 / メサンギウム細胞 |
Research Abstract |
○ヒト血清IgAのヒンジ部O-結合型糖鎖を解析する新規アッセイ系を用いたIgA腎症患者の血清IgAの解析 Fcα/μレセプター(Fcα/μR)はlgAおよびIgMのFc部位に結合するレセプターで、主にB細胞およびマクロファージに強く発現する。私は、ヒトFcα/μRをマウスT細胞白血病株BW5147に強制発現させた細胞を用いて血清などの液相中に存在するIgAを細胞表面上に捕捉し、それらのlgAにおけるO-結合型糖鎖をプローブとしてレクチンを用い、フローサイトメトリーで解析する新規のアッセイ系を開発した。 レクチンは種類毎に、糖鎖を認識する部位が異なり、理論上はO-結合型糖鎖不全を有するIgA腎症患者の血清IgAに対して、Jacalinは結合が低下し、Helix aspersaは上昇すると考えられる。これら2つのレクチンを反応させる条件を決定し、化学的にO-結合型糖鎖を障害したIgAではJacalinの結合が低下し、Helix aspersaの結合が上昇することを確認した。また、Fcα/μR上にIgAとともに捕捉されるIgMが、本アッセイ系では有意な影響を及ぼさないことも、2カラーフローサイトメトリーにて併せて確認した。 この系を用いて、IgA腎症患者と健常人から得た血清中のIgAのO結合型糖鎖を、Jacalinにて解析したところ、健常人に比べIgA腎症患者の血清IgAはJacalinとの反応性が低下していた。現在、Helix asperaによる解析および症例数を増加させて、O-結合型糖鎖不全と臨床的なパラメーターとの相関を解析中である。
|
Research Products
(7 results)