2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19590932
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
長田 道夫 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (10192238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相田 久美 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (40400684)
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Keywords | podocyte / FSGS / 壁側細胞 / 濾過障壁 / リモデリング / 糸球体虚脱症 / p21 / マウス腎症 |
Research Abstract |
Podocyt特異的にtagをつけたマウス(Nephrin-CreマウスXROSA26マウス)、p21欠損状態でcollapsing FSGSを惹起した。このFSGSにみられる臓側上皮の著明な増殖は、ほぼ例外なくLacZ陰性、WT1陰性であり、LacZ陽性細胞にはWT1は陽性であった。また、BrdUの取り込みやKi67の発現などからも増殖細胞の殆どがLacZ陰性細胞であり、LacZ陽性の細胞周期因子発現は極めて希であった。以上から、本モデルで増殖する細胞は、これまでの報告と異なり、ボウマン嚢上皮細胞であることが確認された。さらに、LacZ+/WT1-細胞やLacZ+/synaptopodin-細胞はみられないことから、podocyte脱分化は少なくとも高頻度には起きていない可能性が高い。 電子顕微鏡的には、podocyteの増殖ではなく、壁側細胞との連結のある上皮増殖であること、壁側上皮の増殖の前にpodocyteの著しい剥離が認められることがわかり、collapsing FSGSは進行性podocyte喪失と反応性の壁側上皮過形成であることが判明した。さらに、podocyteの喪失には従来考えられてきたapoptosisは直接関連していない可能性が示唆された。以上から、podocyteの消失に伴う濾過障壁のリモデリングとして、podocyte自体がこれを行うのではなく、壁側細胞によることが判明した。Podocyteと壁側細胞は、糸球体発生期において同様の分化系譜を辿ることを考えると、腎不全進行の主病変である糸球体硬化を、濾過障壁修復の観点から阻止する方向性として、壁側細胞のpodocyteへの分化誘導について検討を進める必要性があると考えられる。
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Research Products
(1 results)