2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規Maf群転写因子関連糖尿病性腎症モデルマウスの作製および解析
Project/Area Number |
19590933
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
楊 景堯 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (90323302)
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Keywords | 糖尿病 / 糖尿病性腎症 / Maf |
Research Abstract |
本研究では以下の項目を研究目的としている。1.新規転写因子関連糖尿病腎症モデルの確立、3.糖尿病性腎症治療における前記転写因子の機能解析.平成19年度はMafAノックアウトマウス(M,afAKO)およびMafKトランスジェニックマウス(MafKTg)の糖尿病性腎症の評価を行い、10週におけるMafAKOの尿蛋白の高値以外は3群間では、有意差は認められなかった。また、10週および20週にて行った腎組織関連評価では、腎重量の変化の有無、糸球体腫大の有無の検討を行ったが、有意な差は認められなかった。平成20年度では、MafAKOとMafKTgを掛け合わせ,MafAKO/MafKTgマウスの糖尿病性腎症の検討を行った。MafAKO/MafKTgマウスは、5週齢ですでに、高血糖を発症し、20週の随時血糖値は853.3±64.1mg/dL、血清クレアチニン0.48±0.04mg/dL、尿蛋白8.8±2.3mg/dayであった。いずれも、MafAKO、MafKTg、Wildマウスより高値を示し、また腎組織でもメサンギウム領域の拡大が認められ、糖尿病による腎症の進展が認められた。以上の結果より、MafAKO/MafKTgマウスは新規糖尿病性腎症マウスとして、十分期待が出来るマウスと考えられる。また、一層糸球体負荷を行い、腎組織の障害が進展するか否かを検討するため、マウスの片腎摘除を行う予定である。さらに、アンジオテンシンII受容体拮抗薬の投与により、糖尿病性腎症治療の有効性についても引き続き検討する予定である。
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