2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規Maf群転写因子関連糖尿病性腎症モデルマウスの作製および解析
Project/Area Number |
19590933
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
楊 景堯 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (90323302)
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Keywords | 糖尿病 / 糖尿病性腎症 / Maf |
Research Abstract |
本研究では以下の項目を研究目的としている。1.新規転写因子関連糖尿病腎症モデルの確立、2.糖尿病性腎症治療における前記転写因子の機能解析。平成19年度はMafAノックアウトマウス(MafAKO)およびMafKトランスジェニックマウス(MafKTg)の糖尿病性腎症の評価を行い、10週におけるMafAXOの尿蛋白の高値以外は3群間では、有意差は認められなかった。また、10週および20週にて行った腎組織関連評価では、腎重量の変化の有無、糸球体腫大の有無の検討を行ったが、有意な差は認められなかった。平成20年度では、MafAKOとMafKTgを掛け合わせ,MafAKO/MafKTgマウスの糖尿病性腎症の検討を行った。MafAKO/MafKTgマウスは、5週齢ですでに、高血糖を発症し、20週の随時血糖値は853.3±64.1mg/dL、血清クレアチニン0.48±0.04mg/dL、尿蛋白8.8±2.3mg/dayであった。いずれも、MafAKO、MafKTg、Wildマウスより高値を示し、また腎組織でもメトンギウム領域の拡大が認められ、糖尿病による腎症の進展が認められた。平成21年度では、MafAKO/MafKTgマウス片腎摘除を行い、その結果ヒト糖尿病性腎症の典型的な3つの所見、増殖性病変、硬化性病変、浸出性病変を確認することができ、本マウスがヒト糖尿病性腎症モデルとして有用であることが確認できた。以上の内容を2009年に論文報告を行った。
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