2008 Fiscal Year Annual Research Report
糸球体修復における内皮-メサンギウム細胞間情報伝達の解析
Project/Area Number |
19590942
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
森岡 哲夫 Niigata University, 医歯学系, 准教授 (00210146)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朴 紅蘭 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40447644)
|
Keywords | GAP結合 / 糸球体内皮細胞 / メサンギウム細胞 / コネキシン / 実験腎炎 / Thy-1分子 / 細胞接着分子 |
Research Abstract |
本研究は糸球体傷害からの修復時に、特に内皮細胞、メサンギウム細胞の情報伝達がどのような役割を果たすかを明らかにすることである。ギャップ結合は細胞間を直接つなぐチャンネルで分子量1000ダルトン以下の物質を通し、細胞を電気的化学的に連結するものである。特にメサンギウム細胞は豊富なギャップ結合を通じ1つの合胞体のように振る舞うと考えられる。ギャップ結合はコネキシンと呼ばれるタンパクからなる。このコネキシンは20種類ほどが知られており、組織・細胞により発現するコネキシンの種類が変わってくる。このコネキシンが病態により変化しその結果細胞間の情報伝達に変化を起こすことが考えられる。本年度は、ラットを用いたメサンギウム増殖性実験腎炎モデルを用いて、糸球体内のコネキシン(Cx37,40,43)がどのように変化するかを検討した。糸球体ではCx37,43は主に上皮細胞にCx40は主にメサンギウム細胞に発現していることが分かった。糸球体外メサンギウム細胞にはCx40,43が強く発現していた。糸球体内皮細胞ではこれらのコネキシンの発現は確認できなかった。可逆性実験腎炎モデルではメサンギウム細胞融解が起こりメサンギウム細胞減少が見られる腎炎発症後3日及びメサンギウム細胞増殖が始まる7日目でメサンギウム細胞のコネキシンCx40,43が減少していた。細胞増殖のピークを過ぎリモデリングが始まると考えられる14日目にはCx40,43の回復が認められた。メサンギウム細胞の増殖の指標とされるα平滑筋アクチン(αSMA)とのコネキシンの二重染色によりCx40の発現とαSMAは逆相関を示していた。さらに不可逆性実験腎炎モデルでは14日目でのCx40の回復が認められなかった。これらから、コネキシン特にメサンギウム細胞のCx40が糸球体障害からの回復において細胞増殖に役割を果たすことが考えられた。
|
Research Products
(6 results)